乱暴なDTM講座

DTMの闇に切り込んだ国内初のブログ

カテゴリ: DTM作曲法


最近このアルバムしか聞いてない。スーパーロー出る環境で聞くとこの曲のアレンジのヤバさがわかる。

90年代の俺の好きだったテクノの音してるなーって思ったら。90年代に作った曲をアレンジしたそうだ。玉手箱か。しかもミックスはモダンミックス。このアルバムは最初にRustie聞いた時と同じくらい脳にクル。これ聞いた後、スクエアプッシャーとか聞いてもミッドハイがうるさすぎて聞けなくなる。


かっこよすぎやろ。

1713058430657

AIが作曲をするということを私なりに想像していた時にそれはDAWの延長ツールであるとばかり思っていたが、Udioの登場で自分の想像力のなさを嘆いた今日この頃。
曲はキーワード1つで、30秒待てば完パケで出来上がるという脅威の現実を目の当たりにする。

DTMは今日完全に死んだと思った。

DTMをやる上で以下の考えが根底にある人は早々に考えをアップデートしないと世界から置いてけぼりにされるだろう。

①DTMは高貴な趣味である。作曲できるやつは努力を積み重ねた結果であり、凡人にはそれは到底真似できないものである。たとえ金にならなくてもこの魔法を使えるのは選ばれし者であり、子孫にもそれは語り継がれるべき伝説である。

②DTMをやっている時、自分は輝いている。それは誰にもわからない自分だけの好きな世界を構築しているから。そこには自分の好きなものだけで構成されており、不可侵な領域である。私は世界の中心にいてまばゆい輝きを放っている。

③自動生成?へー。使えるなら使ってもいいかな。俺様のおめがねに叶うツールならね。

何をアップデートするべきか。それは人間はすでに負けていることである。上に書かれている通り、ほんの数日前までの自動生成系の曲は正直ゴミであったし、人間のアドバンテージが圧倒的なものだと思っていた。しかし、何気なくUdioのサイトで生成された曲を聴いた時、あいた口が塞がらなかった。それは完全に浜崎あゆみの2000年代の声で歌い上げる、聴いたこともないヒット曲だったからである。

はいはい。嘘松。これどうせ巧妙に組み合わせただけでしょ。これ元ネタあるでしょ。と曲名を特定するアプリに聴かせたり、歌詞を検索しても出てこない。そんなわけない。そんなわけない・・・。
もっとも再現の難しい歌声を聞き分けができないくらいいきなり再現できるわけないだろ。視覚情報ならまだしも、音声は絶対難しいと勝手に思っていた自分は半日くらい信じることができなかった。

しかし自分で数曲生成してみて悟った。これマジやん・・・。

上記のDTMer選民思想を持っていたのは何を隠そう自分である。そして、このツールあったらもう誰でも魔法使えるじゃん。今まで大金を投入してプラグインを買ったり海外の教材見て、日本人の動画見てるやつ情弱乙と思っていた自分は一瞬にして無価値になってしまったのだ。それはCDを何千枚も買い揃えたあとにサブスクが登場したときと同じくらいの無力感。いやそれ以上最後の牙城が崩れ去った気持ちだった。

周りのテックオタに聞かせても、「あこれは終わりの始まりですね。」とか、「俺はこうなると思って作曲やめたんだよね。」と言う始末。

一方でコミュニティメンバーで最も作曲している某I氏は、最初は終わった。ついにシンギュラった。と思っていましたが、自分の曲には個性があるから別に怖くないか。と結論づけたらしい。メンタル強いなと思った。

少なくとも音楽を売って飯を食う的なことは、よりいっそう遠のいたわけで、個性なるものも結局はパターンであり、そのパターンをAIが理解したら量産できるわけで、それはかつて個性から始まったジャンルというものが実にAIには、「はい。こんな感じでしょ。」と見切っている感はudioで曲を作るたびにわかるのだ。


数ヶ月でこの進歩なので、来年あたりはもう、鼻歌を歌ったら同時にオケを生成してくれるみたいなことになってそうだが、それすらももう古くて人間がいいというような音楽なんて、AIにとってはイージーすぎて逆にこういう音楽の楽しみ方を人間は覚えるべきだと教育される時代になると思ったりする。



これが昨日作った曲

これは自分が高校生のときに夢中で聴いていたスピードメタルというタイプの曲であるが、絶対に自分では弾けないし書けないし思いつかない展開なのである。これをポチポチ2択を繰り返して30分くらいでできた。欲を言えばギターソロを1時間くらいに伸ばしたかったが、udioの制限でそれはかなわなかった。

ちなみになぜ急にブログを書いたかというと、自分しか生成できないものは、もはや読んでておもしろい文章くらいしかないな。と思ったからである。

まだまだ思うことがあるので書きたそう。Udioのすごいところはクオリティの高い曲を生成することではない。最も脅威なことは


俺が好きな感じの曲を生成することである。

もし上手に曲を作ったとして俺がこれまでの長い人生(47年)かけて培った耳の良さ。これを満足させることは、まぁ無理よね。と音楽に長く携わるやつなら、そう慢心すると思うのだが、

まぁ満足させてくれるのだ。それが最も大きな敗北感を与えてくれたのだ。

もし、Udioの曲は好みじゃないわ。やっぱ俺が好きなのはもっとこうで、こういう感じなんだよなーって人はそれを表現したら個性出せると思う。しかしその個性も必要とあらば解析できるのがAIなんだよなー。ちなみに必要とあらばというのは、現時点ではみんなが好きそうな最大公約数。みんながそのキーワードで想起するサウンドを真似ているわけで、自分の求める曲がその中にないなら、それはあなたの感性が王道から逸れている可能性もあるわけでそれはよく言えば個性。悪く言えばセンス悪いということなのである。

話を変えよう。このUdio自分はもう久々にオンラインのサービスにはりついてることに驚いているのだが。実際何に使えるか?と考えた時にまずは、生成した曲結構何度も聴いても飽きない。というかますます好きになっている自分がいる。なので、プレイリスト作るのいいなって思った。次に映像のBGMを生成するのに便利だなと思った。BGM系の著作権フリーのやつっていまいち好みのものなかったりアカウントまたいで使えなかったりで不便だったりだったけれど、もうこれで解決できるなと思った。というか今までなかったような曲もあるから映像表現が豊かになるなと思った。(映像も生成するのすぐそこだけれど)

話を戻そう。Udioの面白いところがもう一つそれは、質感のコピーである。時代時代のサウンドをその当時の楽器やレコーディング技術だったりの制約で無意識に出ていた質感を見事に再現していることである。そりゃサウンドを真似するわけだからできるに違いないのだがDTMerは割とここを再現するのが上手な人がすごいと思われていたわけだ。

UdioをしてDTMerの亡霊は、必ずこうやってマウント取るやつ出てきそうなことを予言しておくと生成という工程はいきなり完パケにしちゃうから、途中経過、たとえばキックを足したり引いたり、1音ごとの調整ができないから使えない。みたいなこと言う人出てきそうだが、なんかかわいそうというか、それはできるけどやってないことがわからないのだろうか?仮にそれができるプラグインが出たところでそれがどうした?という現象がもう起きていることに気がついてください!!目を覚ましてください!!現実をみてください!!と肩をゆさぶりたくなるが、夢を見続けていたい人もいるわけだからそっとしておこう。

というか問題はそこじゃないし、DAWでオルゴールを職人の如く1音1音組み立てることこそが作曲であるところから、Spliceでネタを組み合わせていい感じの曲を作れるようになるという価値観を認められなかった人が淘汰されたように今、古い価値観の人間のふるい落としが始まったわけだ。

作曲のゴールは曲ができることであり、過程を楽しむのは自由だが人は便利な方にいく。これは逃れられない事実なのだ。野菜をいちいち育ててカレーを作るか?野菜はスーパーで買うだろ?という話である。今はお店のカレーがボタンひとつで生成される時代なのだ。

↑このページのトップヘ