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最新のマックを買って最新のDTMソフトを買ったとしても、作るやつがクソだと曲ができない。
それを見たくないから、次から次へとわけのわからん、プラグインだの、機材だのをかっているやつは多い。というか、世のDTM好きの大半がそうだろう。

昔話をしよう。

俺が中学生の頃にバンドブームというのがあり、俺はドラムから音楽を始めたが、オリジナル曲を作りたくなり、そのために必要な機材。4トラックカセットMTRを購入した。

4トラックカセットMTRの前にラジカセの録音機能で遊んでいたので、MTRはそれを複数重ねるだけのシンプルな構造なので、すぐに理解した。

そして次に必要なのは、リズム音源と、ベースやギターなど他の楽器。俺はギターも当時やりはじめていたので、結果打ち込みだけ覚えて作曲にとりかかることができた。

作り方はこうだ。

①まずギターで曲の構成を考える。
②ドラムをリズムマシンに打ち込む
③リズムマシンのオーディンインにベースを弾きながらドラムマシンをステレオで一発録り2TR消化。
④ギター1を録る
⑤ギター2を録る
⑥ギター1と2をピンポンして空いた最後のトラックにボーカル

ピンポン録音という方法をあまり使ってないのは、音質が著しく落ちるのと、あとからパンをいじれなくなるので、好きではなかった。で、結果、このように最初ドラムとベースを一気に録って、ギター2本を入れて残りにボーカル。というのが王道になっていった。

この手法で曲を量産していたのだが、今ってDTMになってトラックが無限だし音色も無限。あとからあらゆるパラメーターをいじれるから、もっと便利じゃんっって思ったやつは、糞素人。

では解説する。なぜお前が「糞素人」かっていうことを。

①カセットMTRは基本カット&ペーストみたいな洒落たことできないから、まず曲を完成させてから録音というプロセスがある。なので、曲が完成してないスケッチ段階というのは、カセットMTRは必要ない。それは単なるレコーダーなんかに吹き込んでおけばよい。MTRはドラムをきっちり打ち込んで、実際それを聞きながらベースをしっかり弾き込んで、ミスのないところまで追い込んでから録音なのだ。

②必要最低限の楽器構成だから、音色に迷いがないから、割り切れる。

③実は音がいい。カセットの音というのは、どうやってもプラグインでは出せない音だ。音がよいので、テクノ系では、ミックスダウンに使うやつも多い。わざと劣化させるのだ。カセットの音はいい感じに角が取れて耳に優しいし、コンプも少しかかる。

④やっぱり、録音のときの緊張感がよい。集中できる。

さて、この記事のタイトルの、音楽制作ソフトは実は何も進化していない。というのはどういうことかというと、結局、カセットMTRで曲が作れないやつは、DAW使っても作れないと俺は言い切れるからだ。そりゃMIDIだったら何度も部分的にやり直せるから便利じゃん。っていうやつもいるかもしれないが、素人は、そもそも何も弾けないのだ。

本当にソフトが進化したら、頭の中で鳴っている音をそのまま譜面にしてくれるくらいのイノベーションが必要なのだ。そんなのはできるわけない。

そこがわからないやつが、新しいソフトやインターフェースが自分のダメさを克服してくれるという幻想を抱かせて、今日も無駄に金を使うわけだ。