
マキシマイザー、コンプレッサー、マスタリングコンプ。そういったプラグイン色々あるよな。これらを使うときにお前らがいつも口にする言葉。
音圧を稼ぎたい
これな。これもう聞き飽きたわ。音圧を稼がないと他の曲に埋もれる。音圧を稼がないとプロっぽくきこえない。音圧がないと彼女ができない。音圧がないと来世で浮かばれない・・。
わーった。わーった。
そういう音圧教を盲信しているお前らに、今日は目の覚めるとってもありがたい話をするわ。これはサンレコ教みんなも耳の痛い話だと思うが、今信じている宗教であまりご利益がなかったら、参考にするといいと思うぞ。
たとえば80年代くらいのCDから、曲吸い出して今のマスタリング系のプラグインに通して音圧稼ぐとどうなるか?
急にモダンに聞こえるんだな。これが。古臭くなくなるんだよ。いわゆるリマスタリングってやつが家庭でできちゃうの。これDTMやってるやつならやってみ。驚きだから。
でな、俺が言いたいのは、音圧稼ぐと同時に何を失っているかわかってんの?ってことと、音圧稼ぐ前にやることあるでしょ。ってことなの。
まず何を失っているか。これはダイナミックレンジが狭くなるから、その音楽が本来持っていた抑揚が死ぬってこと。よく聞こえるからいいじゃん!とかいってる奴は、今の価値観に洗脳されてるだけなのね。
そのアーティストが意図したボリュームコントロールを無視して、なんでもよく聞こえるようにしよう化ってのは、たとえばなんでもカレー味にしたら美味しいじゃん。っていってるようなもの。どんな歴史的な絵画も全部漫画にしちゃえばいいじゃん。っていってるようなもの。
貴重な歴史的文化を破壊することなの。
でね、これが日常に起こってるのがFMラジオね。FMラジオとかって聞こえないとまずいから、めちゃくちゃコンプかけるの。だから、今の音楽ってのはどんどんFMラジオ化してるわけ。
次に音圧稼ぐ前にやること。これは作曲家が曲の中でどれだけあらかじめ意識的にボリュームコントロールできてるかってこと。
ダメな曲は全ての音の減衰をなくしちゃって全てコンプかけて音揃えて、さらに全体的に音量差を無くしちゃうから、もう頭からけつまでずーっと、音がでかいってだけ。
でも、これって人間の耳が勝手にボリューム下げちゃうんだよ。音圧稼いだはずが、音量が一定だから逆に音圧を体感できないの。
だから、上手い奴ってのは曲の中にメリハリをつけるわけ。こと電子音楽の方がメリハリをコントロールしやすいから、音圧が体感しやすい。
しかし、音圧を稼ぐ必要のない曲まで、なんかみんながやってるからって、僕も音圧あげなきゃ。とかやってると、それは意図的じゃなくて単にみんながやってるから、僕もやりました。ってだけなのね。これって自分の頭で物を考えられない、簡単に洗脳されちゃうタイプの人がやること。もっとも表現から遠い行為。
というわけで、無条件で音圧をあげるっていう選択をしていることが、音楽という表現をどんどん狭くしているのわかるかな。わからないでしょ?わからなくなってるのが現代なの。
いや、いいんだよ。今の流行りはそれだからっていう考え。だけれどそれを意図的にやってる人と、やらない人がいるってこと。
もしクラシックミュージックに音量差がなくなったら、もう魅力激減でしょ?聞かないからわからない?お前は自分が見たものしか信じないバカか。兵隊になって弾除けになってろ。
音圧がないと音楽に聞こえない。ってのは、味を濃くしなきゃ。っていうのと同じ。最近のラーメンと一緒。つまり貧乏な人が高級な料理をたべても、これ味薄くない?っていうような現象に近い。
同じ話なんどもしてるみたいだから、この辺でやめとくわ。
補足。結局作曲家がマスタリングを自分でやり始めたのが悲劇の始まりなのね。曲作りの段階からマスタリングプラグインかけてるものだから、楽器の音量コントロールが狂うわけ。カレーの具を炒める段階から、カレールーいれてるようなもの。だからもう出来上がるのはカレーじゃないの。わかるかな。
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