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俺がテクノを好きになったのは95年くらいだけれど、その当時は国産ゲーム産業が今じゃ考えられないほど盛り上がっていた。

そして18か19歳で、自分で買ったプレイステーション1はゲームが3Dになった最初の家庭用ゲーム機だったので、(3DOは無視)すべてのゲームが新しく見えていたし、プレイするときも常に未来を感じた。その未来感とテクノは非常に融和性が高く、wipeoutLSDなどテクノをBGMにするゲームは俺の興味の対象だった。

Depthはそういった、テクノをBGMとするゲームとは一線を画していた。このゲームはゲームのようでゲームでない、テクノ作曲ツールだったのだ。

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もうPS1をもっていなし、この画像はネットで拾ってきたのだが、ひさしぶりにこの画面を見て、すごく懐かしくなった。いろいろ思い出す。

このゲームを買った時、俺はまだテクノのCDは数枚しか持っていなかったが、これをやって自然にテクノの基本構造を学んだ。ゲーム内容を簡単にいうと、イルカが海を冒険してループ素材を集めたら、編集画面でそのループを組み合わせて曲を作る。そしていい組み合わせができたと思ったら、イルカに海を泳がせながら曲を演奏する。という感じだ。演奏というのはフィルを入れたり、フィルターをかけたりだったかな。BPMを変えてもピッチが変わらないところがすごかった。

ここまで書いてて判ったのが、実はこれって今もやってることだな。ってこと。ableton liveと基本構造がそっくりなことと、音素材を集めたりとか。そう。俺のテクノの作曲の原点がこのゲームにあるのだ。このゲームがなければ俺はテクノの作曲をその後しなかったと思う。


youtubeにプレイ動画があった。

俺がこのゲームが素晴らしいと思う理由は、まず作曲をするということを、あまり意識させずにいつのまにか作曲の楽しさを知ることができるソフトだったのだ。あとこのゲーム全体の音を作ったZENっていう人のセンスが凄く良かったと思う。

俺はこのゲームを夢中で遊んだし、できた曲をテレビのイヤホンアウトからMDに取って自分の曲にしていた。

今ってそういう風な実験的なゲームって、iphoneアプリとかにあるのかな。知らないけれど、いきなりDTMするよりも、そういうゲームからの橋渡しみたいなのがあるといいよね。

あと当時俺は知らなかったけれど、あとからクリエイターが、自分はこれで作ってました。ってよく言ってたのが、このセガサターンで発売されてた「テクノモーター」というソフト。



完全なシーケンサーだな。俺は最初からこれだったら作れないと思う。とにかくまぁ当時はテクノのCDが売れていた頃だったし、ゲームと一緒にもりあがっていた感じがしたんだよね。俺は今でもそういう時代感がベースになってるんだよ。

話変わるけど、なんか最近"FUTURE BASSとは"みたいな記事読んでて笑ったのが、未来感のあるサウンドで・・みたいな事書いてあったけど、そもそもテクノってのは未来の音楽をイメージして作られてるんだけどね。未来ってのはドミナントモーションとかなくなってビートだけになってるんじゃないか?とか、あれこれ実験されたこの数十年がなかったような大胆発言に驚いたわ。