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中学生の時に俺はメタルをやっていたんだけれど、地元の20代の先輩の人たちが、ハードコアパンク的なものをやっていて、俺はある時、スタジオでその人たちに話しかけた。

「あ、先輩たちは、ハードコアやってるんですよね?ライブ見ましたよ。」

みたいなことを言ったら、

ちょっと、黙って

「俺らはロックをやっているよ。」

といった。その時俺はよくわからなかっただけれど、今はわかる。当時俺はシャバかったのだ。

あるジャンルという切り分けは、あくまでもラベリングしやすくしたものであって、作り手は、もちろんそのシーンに投下するという意味でジャンルを自らの曲に貼ることもあるが、実際は自分の作りたい音を出しているだけなのだ。

もちろん、それは特定のジャンルに影響されていても問題ない。ジャンルは目的ではなく結果なのだ。

シャバいガキは、そのジャンルをやっている自分がイケてると勘違いしたり、ジャンルを知っている自分がイケてると勘違いして、やたら細かいジャンルを連呼する。まじで連呼する。

俺は今、好きな風に音楽を作っている。俺は聞こえてくるメロディやコードの赴くままリズムをつけてやる。それが特定のジャンルの音楽では使わない楽器でも全然使うだろう。一方よく使う手法を使わないかもしれない。

シャバ僧は、聞いたことない組み合わせだと、即座にバグって、これは音楽ではない。と判断するだろう。だが、本当に音楽を愛してやまない連中は、そんなところ聞いてないもんだよ。

俺がDTMにハマったのはテクノを聞いてからだ。だから俺はテクノをやっている。EDM!EDM!とか勃起しながら連呼しているガキが、まだ精子になる前から俺はテクノをやっているんだ。フューチャーなんとかとか、言うのも恥ずかしいジャンルがある前から、俺は未来の音楽を作る連中を尊敬していた。

俺は別におっさんだとか、老害だとか言われてもいい。どういわれようとも、そいつらが面と向かって言ってきたら、数秒で息の根を止める体力はまだある。

かつて俺は、YMO原理主義者とかクラフトワーク原理主義者みたいなのをバカにしてきた。だが、俺は今はどっちの良さもすごくわかる。むしろ、そういった原理主義者がわからなかった、テクノもわかるので、彼らよりももっとわかっている。俺はAPHEXTWIN原理主義者だが、今の電子音楽も好きだ。

早い話ジャンル厨はシャバいってことだ。

昔メタリカの首になったベーシスト、ジェイソンニューステッドが、クイーンの追悼ライブの折、コメントで、「クイーンは音楽を聴くことを教えてくれた。」的なことを言っていた。俺はバカかこいつはと思った。それは、彼が強がってメタルをやっていたことの裏返しなのだ。特定のジャンルにコミットしたいという厨房の発想だ。クイーンもメタリカもどっちもロックだ。禁じ手はない。そういう意味では、メガデスにいろんな要素をもちこんだマーティーフリードマンはやっぱりすごいアーティストだ。

シャバいとは?