この回の結論
Korg DDM-110 Super Drums は 80 年代半ばに冷凍保存されたまま出てきたような機材。音のチーズ度は高く、シーケンサーを使うのは発掘現場で作業しているようなものだが、グルーヴは気持ちいい。スタジオの主役に据えたいとは思わないだろうが、大きめのセットアップの中で補助のドラムマシンとして使うなら楽しい。番組の常連視聴者なら予想がつく通りカウベルの不在が気にかかるが、クラップのサンプルは本当に気に入っている。
何を喋っているか
- ランプから魔人が出てくる寸劇で開幕。「そこから出られていい気分か?」「うわ、お前の機材、前の主人よりずっとひどいな」「待て、俺がお前の主人だ」。魔人は「常に感動的、長らく封印され、しばしば真似されるが決して複製されない、グルーヴボックスの魔人」と名乗る。
- 「魔人にしては随分イギリス訛りだな」「オックスフォード出だからね」。願いは 1 つだけと言われ「3 つじゃなかったのか」「インフレだよ、ロックダウン、Brexit」。願いは「DB504 より登録者が欲しい」。「それができるのは既知の宇宙で最も強力な存在、YouTube アルゴリズムだけだ」。魔人の登録者数は 75,000。ならクロスオーバー回でいこう、という流れになる。
- 「Roland SH-201 を期待してたんだが」「餌をくれる手を噛むな」。番組の口上に入り、今日は Korg DDM-110 Super Drums を扱うと宣言。
- 悪名高い 1985 年のこのドラムマシンを取り上げようとした前回、間違えて 1984 年の Korg PSS-50 Super Section を買ってしまった話。Super Section の激チープなアレンジを気に入った人も多かったが、DDM-110 を探し続け、かなり怪しげな売り手から手頃な値段でようやく入手した。一目見ただけで 80 年代ドラムマシンの悪夢を煮詰めたような佇まい。
- 個別アウトもレベルもなし (クラップとハイハット/シンバル部のノブに繋がったトリガーアウトだけ)。暗号めいたパターン/ソング方式のシーケンサー。ドラムマシンで見た中で最悪のボタン。PSS-50 同様 MIDI はないが、ヴィンテージ Roland 機を動かせる例のシンクは付いている。ただし Roland の 24 PPQN に対して 48 PPQN。Arturia BeatStep Pro など現代機ならその形式に切り替えられる。
- ドラム音色は 80 年代標準のローファイ PCM サンプル。中でも非常に個性的なクラップが気に入っている、と言った途端に魔人が「そのクラップはド級のゴミだ」と割り込む。「なんで俺の機材ショットに入ってきてる、出ていけ」「願いは使い切っただろ、今はクロスオーバータイムだ」。
- 「この…金塊について何かアイデアは? ただし『冒頭のジングルでもう聴いてる』とか『なぜネットで嫌われているのか』的な修辞疑問以外で」と魔人に振る。魔人いわく「Roland に例のあの忌々しい MC-303 グルーヴボックスに閉じ込められる前」——ドキュメンタリー『Land of the Rising Sound』に MC-303 を入れなかった罰だという——DDM-110 とモノシンセのジャムをやったことがある。
- 魔人の演奏を聴いて「あの魔人、やりやがる」。DDM-110 の 8bit 音色はまったくリアルではないので、Dollar Techno ジャムで使えるかどうかを確かめたい、と本編の実験へ。
- 「前のジャムのヴィンテージ機材に比べて、このセットアップちょっと貧相じゃないか?」「そうなんだけど、本物のヴィンテージ機材を持ってないんだ」「まあお前は Bad Gear の男だからな、ブランドに忠実でいろ」。そのまま Dollar Techno ジャムに突入。
- ジャムの評価。悪くなかった。シンクマスターとしては完璧に動いたし、シーケンサーの少し後ろに乗るグルーヴが好み。クラップもミックスの中でよく抜けてきた——と言うと魔人がまた「だからそのクラップはひどいと言っただろ」。
- 「オーストリアの古い諺にこうある。腕の悪い職人は道具のせいにする」と反撃。「じゃあお前ならどうする?」「80 年代のクラップだぞ、使い道は一つしかない。全面的に 80 年代に振り切るんだ。ついてこい」——と 80 年代全開のジャムへ。
- 80 年代全開デモの演奏パート。
- Verdict。Korg DDM-110 Super Drums は80 年代半ばに冷凍保存されていたような機材。音のチーズ度は高く、シーケンサーの操作は発掘現場での作業のよう。だがグルーヴは良い。スタジオの中心には据えたくないが、大きめのセットアップの補助ドラムマシンとしては楽しい。
- 常連視聴者なら予想通り、カウベルの不在が気にかかる。だがクラップのサンプルは本当に好きだ、と締める。高評価・チャンネル登録・次に扱ってほしい機材のコメントを呼びかけて終了。