KORG 707 FMシンセ

Bad Gear - Korg 707 FM Synth

この回の結論

KORG 707は魅力的な楽器だ。純粋なヴィンテージFMシンセにアナログ風のパラメータとリアルタイム操作が乗っているのは滅多に見ないし、それがちゃんと機能している。自分のようなFMのライトユーザーでも、80年代のクリシェとカオスなノイズの向こう側に手が届く。もちろんFMで多くの人が嫌うあの四角い音色は角を曲がるたびに顔を出すし、6オペシンセに期待するような細部と深さで音を彫ることはできない。それでも使っていて驚くほど楽しい。見た目もユニークで、しかもキーターとしても使える。現代版が出たら絶対に買う人がいる — キーター部分は置いていってもいいけれど。

何を喋っているか

  1. 世界一嫌われたオーディオ機材の番組へようこそ。80年代にFMが熱かったのは周知の事実 — 「hot」ではあっても「warm」ではなかったが。ベル、明るいエレピ、パンチの効いたベースが至る所にあり、誰もが欲しがった。だが誰もがオリジナルのDX7を買えたわけではない。
  2. Yamahaは予算重視のミュージシャン向けにFMシンセを何機種も出した。その心臓部はたいていYM2164サウンドチップで、Yamahaはこの技術をKORGにライセンスした。今日話すのは707 — このチップに基づく1987年のKORGシンセ2機種のうちの1台で、もう1台はより上位のDS8。
  3. ヲタ話は置いておくと、この80年代の美人2機種は、硬直した80年代FMのUIにアナログ的なリアルタイム操作性を少し足そうというKORGの試みだった。DigitoneやOP-6みたいな現代機でようやく勢いづいたコンセプトを、当時からやっていた。つまりFMのプログラミングは最初から楽しく簡単でありえたわけだ。
  4. 一見すると707は全部揃っている。モン・カラマリ巡洋艦とYeezyのランニングシューズを掛け合わせたような筐体、ディスプレイを守る格子状の構造、ボリューム込みで堂々4本のスライダー、そして名前負けしない本物のピッチ/モジュレーション「ホイール」。アフタータッチ付きの鍵盤も作りはしっかりしている。
  5. ただしSteinwayではない。リアパネルに驚きはなし — MIDI三点セット、ステレオアウト、フットスイッチ端子、ディスプレイのコントロール。80年代の廉価FMの多くと同じく707も4オペレータエンジンだが、生粋のFM好きは古典的な用語とUI構造が無いことに驚くかもしれない。
  6. オペレータもアルゴリズムも見当たらず、あるのは減算シンセを思わせる2つのオシレータと、矩形波とノコギリ波ということになっている波形だけ。そこにspectrumパラメータで倍音を足していける。リングモジュレーションもある。
  7. 第2オシレータを加えた途端、一気に「いかにもFM」になる。クロスモジュレーションを足すと特にそうだ。timbreはレゾナンス無しのフィルターのように働き、専用スライダーを持っている。
  8. DX21にかなり近い作り。ピッチエンベロープもある。オシレータごとにエンベロープがあり、それをマクロ的な演奏用スライダーで操作できる。
  9. そしてLFOは11まで上がる。ユニゾンが優秀で、特にベースで効く。ポルタメント専用ボタンもある。
  10. これらはエレピやオルガンといった定番はもちろん、歪んだベース、雑な80年代SEにも使える。
  11. 元祖DX7と違って、これらの音はレイヤー、スプリット、8ボイスのマルチに組める — と聞くと最高だが、ポリフォニーがそもそも8ボイスしかないと気づくまでの話。言うまでもなく、707のような真の80年代パフォーマンス楽器はキーターとしても使える。電池ボックス付き。作りは良いが、バックアップ電池が切れると本体が壊れる。
  12. その対処法についてはネット上の情報が食い違っている。詳しい人はコメントで教えてほしい。707の価格は仮想通貨みたいに乱高下する。直感的で使いやすいインターフェースのヴィンテージFMシンセ、うますぎる話に聞こえる — たぶん実際そうなのだろう。今日のイントロでもう707は聴いている。
  13. 温かみと噛みつきのバランスを取るのに苦労した。まずは軽く、マルチティンバー性能といくつかのプリセットを試してみる。
  14. 硬派なFMの定番と、変なノイズと、80年代のチーズが混ざった興味深い組み合わせ。このプリセットだけで曲を丸ごと作りたいとは思わないが、いくつかは今でも通用する — 特にベース。
  15. もちろん707にはもっと引き出しがある。じっくりエディットしてリアルタイムに弄って、その全力を引き出せるか試したい。
  16. セガ・ジェネシスの兄貴分としては、なかなか良い音がする。ほんの数パラメータで、伝統的なFMのトーンから地獄のようなノイズまで持っていける。
  17. インターフェースは相変わらず80年代丸出しだが、慣れるのは簡単。ご存じの通り、似た名前のもっと象徴的なマシンが別にある。この全く別物の2台の音がどう噛み合うのか知りたい — というわけで、ちょっと邪悪なプロトディープハウス風のオタクなトラックで。
  18. 結論 (Verdict)。KORG 707は魅力的な楽器だ。
  19. 純粋なヴィンテージFMシンセに、ほぼアナログ風のパラメータとリアルタイム操作が乗っているのは日常的に見るものではないし、それが実際に機能している。自分のようなFMのライトユーザーでも、80年代のクリシェとカオスなノイズを超えた結果が簡単に出せる。もちろんFMで多くの人が嫌うあの四角い音色は曲がり角ごとに潜んでいるし、6オペレータ機に期待するような細やかさと深さで音を彫るのは難しい。
  20. それでも使っていて驚くほど楽しい。707は見た目もユニークで、FMを実際に理解しないまま音を作って弄れるし、しかもキーターにもなる。現代版が出たら買う人は絶対いると思う — キーター部分は置いていっていいかもしれないが。
  21. 月例ボコーダー・シャウトアウト。最近CASIO Rapmanを買った。シャウトアウト (今回はtier 5と6) にうってつけというだけでなく、番組に出したかったから。だが残念ながら…
  22. 十分な憎しみが見つからなかった。つまりCASIO Rapmanは技術的に言ってBad Gearではない。コメント欄で少し手伝ってほしい、みんなチャンネルで見たいはずだから。tier 4は、今日のKORG 707をDark Starボコーダーのキャリア信号として試す。
  23. 改めてチャンネルの支援に感謝。CASIO Rapmanを憎むのを忘れずに。また来月。