この回の結論
Roland Patchbox はもちろん完全な冒涜だ。本物の回路改造マニアは「全部を賭ける」スリルを味わえないし、この方法では真に唯一無二の楽器にはならない。だが Circuit Benders UK は 80年代 ROMpler 改造の最もエレガントな手法のひとつを作り上げた。手軽で安価なこの解決策なら、オリジナルの楽器に一切手を付けないまま、クラシックな回路改造サウンドをもっとプロっぽいセットアップに組み込める。U-110 の結果も面白かったが、改造した R8 の音のほうがずっと使えると感じた。ひとつ疑問が残る — 俺は「モジュラー機材は買わない」という自分の壁を今ぶち破ってしまったのでは?
何を喋っているか
- 「機材をより良くする番組、Better Gear へようこそ。久しぶりだ」。回路改造 (circuit bending) の定義から入る。ある者には未知の音世界を探る安上がりな手段、ある者には BOSS DS-1 の音を再現するための無駄に複雑な方法、最悪の場合は機材を壊して転売価格を大幅に下げるだけの手の込んだ時間の浪費。
- 今日扱うのは回路改造の中でも最も安全で手軽なアプローチ。Roland R8 の Bad Gear 回を作っていた時に Circuit Benders UK が売っている mod kit を見つけた。その「Roland Patchbox」は前述の名機 R8 や他の 80s ROMpler に使え、地獄の第七圏から来たようなブルータルでザラついた、しかも意外と演奏できるマシンに変えてしまう。
- 通常の回路改造は電子楽器を分解して中身をクリエイティブにいじり回し、本来設計されていない音を出させる作業。この過程でしばしば楽器は壊れるし、安全上の理由から電池駆動の機材にだけやるべきだ。Roland Patchbox は明らかにその「回路改造の真の教義」から外れている。
- 半田付けなし、改造なし、筐体を開ける必要すらない。ターミネーター2 の ATM ハックみたいな見た目の偽 ROM カートを拡張ポートに挿して、付属のミニジャックケーブルでパッチボックスを好き放題いじるだけ。
- デモ演奏。二つのパーツは DB25 ケーブルで接続され、LED の電源はホスト機から供給される。デバイス自体はパッシブで、やっているのはカードスロット内の接点をショートさせることだけ。
- パッチしていない状態ではシンセ/ドラムマシンのオリジナルの音がそのまま残る。Circuit Benders UK は洗練されていて使いやすいマルチスイッチ部も付けている。そして「Eurorack のような普通のモジュラーシステムとは繋ぐな」と忠告している。
- 実際の ROM カードと併用したいなら R8 のラック版を使う必要がある。ユニットは Circuit Benders UK の Etsy ページで購入。ほとんどの時期は売り切れで、価格は少なくとも購入時点では関税と送料込みで 200 ドル以下という快適ゾーンだった。対応は R8 / R8M / U-220 / U-110、そしてもう一機種。手元には 2 台ある。
- まずクラシックな R8 から。改造サウンドのデモ。
- 歪んだ質感と安っぽいチューン風の音 — これぞ回路改造のベスト、ハードテクノやインダストリアルには強く推奨。Patchbox はもっと繊細なトーンも出せるが、そのためにはとても丁寧にお願いしないといけない。次は U-110 との組み合わせが楽しみだ、とデモへ。
- U-110 のデモ演奏。そこから Verdict へ。
- Verdict。Roland Patchbox はもちろん完全な冒涜であり、真の回路改造の喜び — 全部を賭けるスリル — は味わえないし、本当に唯一無二の楽器にもならない。だが Circuit Benders UK は 80s ROMpler 改造の最もエレガントな手法のひとつを完成させた。オリジナルの楽器に一切触れないまま、回路改造の音をプロっぽいセットアップに持ち込める。
- U-110 の結果も面白かったが、改造した R8 の音のほうがずっと使えると感じた。ひとつ疑問が残る — 俺は「モジュラー機材は買わない」という自分の壁を今ぶち破ってしまったのか?「観てくれてありがとう、また次回」。