この回の結論
Pajen ファームは Volca Sample を完全に別次元へ引き上げる。しかも拡張された MIDI インプリメンテーションの話にはまだ触れてすらいない。ベロシティのような機能は明らかに回避策の積み重ねで実装されているのが分かるが、それでも弾いていて実に楽しい。純正ファームに戻してからまた Pajen に戻す作業も何の面倒もなかったので、その手のゲリラ的ソフトウェアの中では安全な部類だと思う。Korg のようなメーカーが Pajen みたいな連中に札束を渡してもっと良い楽器を作らせないのは、いまだに謎のままだ。
何を喋っているか
- 「Better Gear へようこそ、機材をより良くする番組だ」。今日は人気の Korg Volca Sample に非公式ファームウェアを入れて、ある種の lo-fi ワークステーションに変える。Electribe ER-1 をステロイド漬けにした回で手順はもう知ってるだろうが、今回は作業が超簡単な上にファームが無料だ。
- Volca Sample はたぶん自分の一番好きな Volca。手を動かせるコントロールと、ザラついた低サンプルレートの音が気に入っている。もちろん完璧ではない — ベロシティなし、サンプルはクロマチックに弾けない、MIDI インプリは多くの人が頭を掻きむしった代物。そこで Pajen ファームの登場。作者は知らないが、無料公開に感謝したい。Gearslutz と Reddit にいる。ダウンロードリンクは概要欄に。
- 入れたのは数日前でまだ把握しきれていないので、抜けがあったら勘弁してほしい (そもそも大してやることはないが)。インストール手順: ファームと Robotunes 執筆のマニュアルをダウンロード。サンプルデータと同じくミニジャックケーブルでオーディオ転送する。ファイルを再生する機器のオーディオアウトを Volca の SYNC IN へ挿し、FUNC と PLAY を押しながら電源投入。
- ディスプレイに「update」が出たら転送準備完了。ファイルを頭から再生。終わると「end」が表示されるので、電源を入れ直して新しいオープニングクレジットを堪能する。次に FUNC を押しながら電源を入れてグローバルモードへ。ボタン 9 と 10 が両方点灯していることを確認して REC で確定。新機能は拡張メニュー (FUNC を押しながら SAMPLE ノブを回す) からアクセスする。
- 追加機能を順に。まず OMNI MIDI モード — 魔法の大半はここで起きるので後ほど詳しく。PROBABILITY はパターン内のノートが鳴る確率を設定でき、即席のバリエーションに良い。BAR FILTER は、面倒くさくパートをミュート/アンミュートする代わりに、ミュート/アンミュートのパターンをプログラムできる。
- NOTE FILTER は特定の MIDI 情報にパートが反応しないよう保護できる。ノートトリガー、ノートバリュー、ベロシティを個別に弾ける。COPY PART はパートの全設定を別のパートにコピー — 後述の全能ポリモードで重宝する。REVERB TYPE はKorg があなたに隠していた 2 種類のリバーブ。今なら使えるが、正直そんなに違いは聞こえない。
- DRONE は無限ループに良い。OMNI MIDI モードのメニューには、我々ツマミ回し族が大好きな例のご多分に漏れないサブメニューがぶら下がっている。選べるのは OFF (元の動作モード)、SAMPLE (MIDI の最初の 100 鍵で 100 個全部のサンプルをトリガーできる)。
- MIDI チャンネルは 11。PATTERN は C から A のノートでパターン 1〜10 を呼び出せる (チャンネル 11)、外部制御のソングモード用。そして POLY 2 / 3 / 4 — 皆が待ち望んでいたモード。隣り合う最大 4 パートをポリフォニックなサンプラーボイスとして使える。残りのパートはモノフォニックのまま。例えば POLY4 を選んで最初のパートを指定する。
- すると右隣 3 パートが点滅するので FUNC で確定。各パートの設定は独立したままなので、COPY PART で音を揃えると良い。このモードは MIDI チャンネル 12 が一番具合が良かった。では新機能を活かして、この健全きわまりない Volca Sample オンリーのアレンジを組んでみよう。高評価と登録もよろしく。
- Volca Sample のみで組んだデモ演奏。
- Verdict。Pajen ファームは Volca Sample を全く新しい次元へ引き上げる。しかも拡張 MIDI インプリの話にはまだ触れてすらいない。ベロシティなどは明らかに回避策で実装されているのが分かるが、それでも弾いていて楽しい。純正ファームに戻して再び Pajen に戻す作業も何の面倒もなかったので、同種のゲリラソフトウェアより安全だと思う。Korg のようなメーカーが Pajen みたいな連中に札束を渡してもっと良い楽器を作らせない理由は、依然として謎だ。
- 新ファームを試したなら、Pajen 入り Korg Volca Sample で作った音楽のリンクをコメントに残してくれ。見てくれてありがとう、また次回。エンディングでは恒例の「高評価・登録・コメントよろしく、次はどんな機材を番組で見て聴きたいか教えてくれ」。