この回の結論
0-Coast がカルト的に崇拝されるか、何が面白いのかまったく理解されないかの二択になる理由は分かる。MIDI 対応と East Coast 的な作法へのわずかな目配せがあってなお、大半の人間が慣れた手順からは大きく外れていて、それは創造性のブースターにもなれば「音楽的に意味のある音を出せないもう一種類の便利機械」にもなる。乱D自身はまだ決めかねている — シンセ構造の練り込みと「Buchla の良いとこ取りを慎重に現代化した」姿勢は好きだが、使えるパッチに辿り着くまでの時間対効果が自分の制作スケジュールに合わない。個人的にはもっと難解でない選択肢、West Pest とか Walrus Modular あたりを選ぶ。とはいえ、最大級の批判ポイントがフロントパネルのフォントだというなら、Make Noise はかなり良いシンセを作ったということだ。
何を喋っているか
- 世界一嫌われたオーディオ機材の番組へようこそ。今日は Make Noise 0-Coast。「2016年の音楽テック系インフルエンサー必携アイテム、そして内陸の田舎州シンセ」と紹介する。
- Buchla 的な探究と Moog 的な分かりやすさの橋渡しを狙い、幅広い「モジュラー的な放屁」と、ほぼ役に立たない内蔵アンチ Euro rack 安全装置を提供する。何という混沌。ひと目見ただけで「カットオフとレゾナンスはどこだ」欄に全部チェックが入る。判読不能なタイポグラフィ。
- ブルジョワ的な East Coast 用語はほぼ皆無、信号の流れを示す金の矢印、パチュリの香りが漂う謎パラメーター、そして改造なしでは Euro rack ケースに収まらない筐体。ただしパッチポイントだけは規格通り。音源部はオシレーター1基、三角波と矩形波。
- 素のまま使ってもいいが、もっと面白いのは overtone セクションに通して「ちょっとだけ退屈でない音色」にすること。ただし本当の楽しみは multiply を回して波形を原形をとどめないほど変形させたときに始まる。そこにリニア FM を少しずつ足していけばいい。
- 話が先走った。フロントパネルにはモジュレーターが3つ。クロックに紐付いたステップ・ランダム生成器、エンベロープとしても使える rise/fall のスロープ、
- 多用途 LFO、さらに追加オシレーターとしても機能する。これは overtone セクションに事前配線されていて、感嘆符付きの overtone 設定ではサイクルさせたスロープがオーディオミックスにも乗る。contour セクションは Bob Moog 的な保守的設計思想の名残に見える。
- exponential 設定はパーカッションに最適。すべては mixer に送られ、無加工の波形 (あるいは入力に何をパッチしようと) と overtone リッチ版が混ざる。dynamics は Buchla のローパスゲートに着想を得ていて、温かくファジーなオーバードライブまで追い込める。
- Make Noise は自社 Maths モジュールの機能も入れた。CV サミング、出力2つ、アッテニュベーター。CV/ゲート端子に加え MIDI でも演奏でき、専用 MIDI to CV コンバーターで2チャンネル制御。ただし MIDI 設定は悪夢 — ディスプレイ無しメニューダイブの恐怖。
- 波形2種の追加 LFO を steps から呼び出せるし、シーケンサー的なパターンを作れるアルペジエーターまである。0-Coast が「大量にモジュレーションされた示唆のシンフォニー」を得意とするのは言うまでもない。深いベース。
- これが本当に crow のパッチなのかコメント欄で教えてほしい、と振る。作りは堅牢。好きな音楽機材店で 500〜600 大陸間インフレドルで普通に買える。
- この美しい混沌を貸してくれた友人 Dominic に感謝。何十時間も 0-Coast に注ぎ込んだ結果、出てくる音は今も大半が屁みたいな音。これは腕の問題か、それとも2010年代の音そのものなのか。イントロ曲でもこのシンセは既に鳴っている。ならば East Coast に全振りしてみよう。2017年の意識高い系シンセ YouTuber セットアップの時間だ。
- デモ演奏。「そんなに悪くなかった」。鼻にかかった音色、変なモジュレーション、
- そして「奇矯なマインドセットではここでは大して先に進めない」という悟り。MIDI チャンネル設定は音楽を作る気力を確実に殲滅してくる。もう一度、もう少しオタクっぽくない音を狙ってやり直す。
- 予想より時間を食った。映画的なエフェクトや弄り回しは素晴らしいが、自分が本当に気に入るような普通のシンセ音色を作るのには苦戦した。0-Coast がリバーブ・ディレイ・モジュレーションを
- どれだけ受け止められるかは驚異的。次は DAW の中で機能するか試す。Buchla ボンゴで止めておくべきだったのに、ドラム音を全部この機械で合成すると決めてしまった結果、想定以上に機能不全な音になった。まあチームプレイヤーということで、140 BPM のノームコア。
- Verdict。0-Coast がカルト的賞賛と「何が騒ぐほどのことなのか完全に理解不能」の両極に分かれる理由は理解できる。MIDI 対応と East Coast 的作法への目配せがあってなお、
- 大半の人間が慣れた手順からは大きく外れている。それは創造性を押し上げる約束にもなれば、「音楽的に意味のある音を出せないもう一種類の便利機械」にもなる。乱D自身は未だに決めかねている。よく練られたシンセ構造と、慎重に現代化された Buchla のいいとこ取りは好きだが、使えるパッチに至るまでの時間対効果が自分の制作スケジュールと合わない。
- 個人的にはもっと難解でない選択肢 — West Pest とか、あるいは Walrus Modular を選ぶ。とはいえ、最大の批判点がフロントパネルのフォントだというのなら、Make Noise はかなりまともなシンセを作ったということだ。いつもの締め: 高評価・登録・パトロン・下のリンクをどうぞ、ゲストのコメントが何であろうと関係なく。YouTube、バイ。