またこれか

Bad Gear - Not ANOTHER ONE...

この回の結論

最も本物らしい低pH値のアナログ泡風呂を探しているなら、Erica の DB-01 は選ばない。安価な303の複製が溢れている現状を考えれば、それはむしろ良いことだ。独自の音作りの道具を備えていても、あの象徴的な銀色の箱と同じく一芸の馬であることに変わりはない。だが、いじっていて満足感があり、太いヴィンテージの風味とソ連崩壊後的な癖、そしていつでも出せる音の混沌を併せ持っている。「モノシンセがもう1台必要か? 間違いなく必要だ。ただ、それがこれになるかは分からない」。

何を喋っているか

  1. 「世界で最も嫌われているオーディオツールを扱う番組、Bad Gear へようこそ」。今日は Erica Synths Bassline DB-01。「そう、また誰も頼んでいない『流れを変える』アナログ・モノシンセだ」
  2. 一見して、これは「2020年の最初のロックダウンで正気を保つのに最適なシンセは何か、とチャットで聞く」の条件を全部満たしている。「重厚な金属筐体に、光る高級 M&M'S が散りばめられ、
  3. 巨大なノブが並び、そしてどこかに、スイッチを2つ失った冷戦時代の潜水艦がある」。そして画面。「どれほど伝統主義的なアシッド愛好家でも、これがありふれた303クローンではないと気づいているはずだ」。
  4. ノイジーな音源部の鋸波と矩形波に、みずみずしい三角波、Moog 風の太い重ねを可能にするサブオシレーター、そして「ユーロラックごっこに理想的な」ノイズ源が加わる。それら全部が Polivoks に着想を得たフィルターを通る。
  5. Erica 自身の Acid Box モジュールに基づくもの。「この回路から古典的な TB のさえずりを引き出すことには失敗した。自分だけかもしれないが」。フィルターは簡素なエンベロープに直結。「そしてここで、設計思想がRoland の最も著名な失敗作を模倣するという踏み固められた道から外れる」。
  6. VCA 用の、これまた制約の多い2つ目のエンベロープ(無限のドローンが作れる)に加えて、メーカーは BBD ディレイによるデチューン効果を入れた。「繊細な太らせからアナログの大混乱まで」。「まだ自分が制御しすぎているという感覚に苛まれているなら、遠慮なくドライブか歪みを上げろ。ありふれたアシッドの音には、自分なら第一に選ばない類のものだが」。
  7. 専用の FM ノブで、十分に速い LFO を使ってオシレーターの周波数を変調できる。この同期可能な LFO はフィルターのカットオフにも送られ、「この楽器のメニュー構造という冥界に足を踏み入れることを厭わなければ」、多彩な波形とモードを選べる。
  8. 「すぐには分からない機能といえば、内蔵シーケンサーは303 のそれの恐怖をはるかに超えている」。心地よくカチカチ鳴る2つのエンコーダーを多用し、アクセントと独特のスライド、ポリメーター、再生方向の操作、
  9. モジュレーション、ピッチ・エンベロープのトラック、その場での移調、スケール、豊富なランダム化に対応する。「アルペジエーターは曲の出だしを作るのに最適だ」。
  10. 「やや難解な操作の組み合わせを覚えれば」最大64ステップのパターンを簡単に保存・管理できる。「ただし前面のパラメーターは、あるがままだ」。Erica のモジュラー出身らしく端子はユーロラック向きに最適化。「スルー無しの5ピン MIDI があり、USB が無いのを寂しく思うかもしれない」。作りは完璧。
  11. 「だから500〜600『大陸間感謝トークン』を、極度に特化したシンセに払うのは良い考えに思えるかもしれない」。貸してくれた Signal Circus に礼。「自尊心のあるシンセオタクの例に漏れず、自分は必要以上のモノシンセを持っている。Erica の Bassline は、もう1台買う言い訳として十分だろうか」。
  12. 今回のイントロ曲でもう聴いてもらっている。「非常に大人しい解釈だったが、仕事はきっちりこなしている。次はこの汚い小細工を全部上げて、輝かせてみる」。
  13. 「予想より楽しかった」。ざらついた歪みと FM は、極端な設定でも friendly な雰囲気を保つ。そして「シーケンサーは、自分が何をしているか分かっていなくても面白い発想を吐き出す」。次はこのシンセの強い個性と、古典的なアシッドらしさの中間を探す。
  14. これは間違いなく、あなたの祖父母のアシッド・シンセではない」。FM もデチューンもドライブも上げなければ音はミックスによく収まるし、DB-01 はあなたのエフェクターのコレクションと友達になりたがっている。
  15. 次は締めを丸ごと捧げて、「バルト海に着想を得た映画的エレクトロの歴史上、最も毛羽立ったヴィンテージのベースドロップと、100%本物ではない Formanta のコア」を作る。
  16. 結論。「最も本物らしい低pH値のアナログ泡風呂を探しているなら、Erica の DB-01 は自分の得物ではない。安価な303の複製が溢れている現状を考えれば、それはむしろ良いことだ」。
  17. 「独自の音作りの道具を備えていても、あの象徴的な銀色の箱と同じく一芸の馬であることに変わりはない。だが、いじっていて満足感があり、太いヴィンテージの風味とソ連崩壊後的な癖、そしていつでも出せる音の混沌を併せ持っている」。締めが良い。「モノシンセがもう1台必要か? 間違いなく必要だ。ただ、それがこれになるかは分からない」。