クルマ用シンセ

Bad Gear - Orchid Synthesizer 81 - Synth for Cars

この回の結論

Orchid Synthesizer 81 model LC-516 は完全アナログのシンセだが、音楽用途など明らかに一切考えられていない。パターンの中には本当に良いものもあるが、dub siren をやらせるなら専用のサイレン機の方がはるかに仕事をする。サーキットベンディングの余地はありそう。そして 90年代ジャングルやオールドスクール ragga のパーティーで、客をダンスフロアから追い出すには理想的な道具かもしれない。

何を喋っているか

  1. 「世界一嫌われてるオーディオ機材の番組」bad gear へようこそ。今日は Orchid Synthesizer 81、model LC-516。場所はウィーンの美しい Ottakring 地区の森の中。「bad gear の音がスタジオモニターから鳴り続けて、うちの近所の人たちは今いろいろ大変なことになっている」ので、この人里離れた場所まで来た、と説明する。
  2. これはクルマ用のシンセ。パトカー、救急車、消防車のためのもの。つまり番組でいつも扱ってる機材より、さらにデカくてさらにウザいはず。オフグリッドで動かすためにバッテリーを持参、スマホに SPL メーターをインストール、そして耳栓は忘れた。musical application を探す前に、まずこれがどこまでうるさくなれるかを知りたい。
  3. 実演のあと、その日の残りは正体不明の頭痛と戦って過ごした。「どこから来た頭痛なのかは分からない」ととぼける。
  4. 次に同じことをやるときは本物の SPL メーターを買う。スマホは 89dB SPL で振り切れてしまった。実際どれだけの音量だったか不明だが、耳栓を使わなかったことを即座に後悔した。「家で真似するな、というかどこでもやるな」。見た目の話では、Orchid Synthesizer 81 はソ連流の「ごく基本的な Eurorack モジュール」といった風情。モジュレーションの周波数とレベル、メインオシレーターのピッチ、モジュレーションパターンを変えられる。ロケットの発射機能を思い出させるボタンと、ボリュームノブがある。
  5. 接続は電源入力、スピーカー出力、external のみ。2本のネジをショートさせるとシンセを叩き起こせるので、Beatstep Pro の as trig で叩けないかと期待したが、これは駄目だった。この種のスピーカーの正しい英単語が分からない、と正直に白状する。家で使うぶんには Orchid を Palmer PDI-03 に繋いだ。パワーソークは使いつつスピーカーシミュレーションはバイパスして、全帯域を出している。
  6. Roland Space Echo に通して試す。そのまま Verdict へ。Orchid Synthesizer 81 model LC-516 は完全アナログのシンセで、音楽用途を念頭に作られていないのは明らか。パターンの中には本当に良いものもあるが、dub siren をやらせるなら専用のサイレン機の方がずっと上手い。
  7. サーキットベンディングの余地はありそう。そして90年代ジャングルやオールドスクール ragga のパーティーで、客をダンスフロアから追い払うには理想的な道具かもしれない。見てくれてありがとう、また次回。