カワイ K4

Bad Gear - Kawai K4

この回の結論

K4 の愛好家が今日までこの古風な楽器を崇拝しているのには理由がある。強力な音源部、面白い波形の品揃え、そしてついに使える音を追い込めた時のエンドルフィン。D-50 のような荘厳な艶は無いが、自分は個人的に Kawai の喘息的な lo-fi の音色の方が好みだし、何より重要なのは、そのサンプル群が Roland の1987年の旗艦鍵盤のように主流の音楽で叩き尽くされていないことだ。

何を喋っているか

  1. 「世界で最も嫌われているオーディオツールを扱う番組、Bad Gear へようこそ」。「80年代はしばしば、ハリウッド級の英雄性、非の打ち所のない様式、そして70年代に設計された楽器で演奏された限りにおいて見事に歳を取った壮大なシンセ音楽と結び付けられる」。
  2. 「だが今日は K4。Yamaha DX7 への Roland の答えに対する Kawai の答えであり、K1 の上位後継であるこのデジタルシンセは、80年代が何よりもまず、非常に、非常にオタクだったことを見事に示している」。一見して、K4 は「今おれをオタクと呼んだか」の条件を全部満たしている。
  3. 「物理的な操作子は最小限。驚くほどまともな鍵盤(ベロシティとアフタータッチ付き)、WD-40 に飢えた岩のように硬いボタン、特大のデータ入力スライダー、そして滑らかなピッチとモジュレーションのホイール」。
  4. 「後者はフィルターのカットオフに送れる。そう、聞き間違いではない。より平凡な K1 と違って、Kawai はここにレゾナンス付きローパスを実装した」。「残念ながら前作のジョイスティックは消えたが、今も4つの波形を混ぜられる」。
  5. 「256のサンプルから選ぶ。単純な正弦波から、古典的なシンセの定番、オタク的なデジタル臭のするもの、ざらついたアコースティックと電気楽器、
  6. D-50 には載らなかったであろう断片、そして立派な『お父さんロック』のドラムキットまで」。ドラムはモードに関係なく専用の MIDI チャンネルで鳴らせる。「16音のフル・ポリは2つの source に留めた場合のみで、twin モードでのデュアルフィルター/4オシレーター構成では8音に減る」。
  7. 「簡素なピッチ・エンベロープもある。ビブラートはありがたいし、リングモジュレーションも」。「K3 のアナログ・フィルターを K4 でも見たかったが、得られたのは粗い、しかし奇妙に使えるデジタル版で、レゾナンスは7段階、専用エンベロープ付き」。
  8. 音量用にもう一つの ADSR(ディレイ・パラメーターは別メニューに埋もれている)と素朴な LFO。「このエフェクト部のペダル版が出たらミニマル・テクノの何人かは買うと思う。ただし他の誰も買わないだろう」。エフェクトは K4R には無いが、両版とも同じ「カフカ的な」経路指定を持つ。
  9. ロンプラーと本格的シンセの、オタクな愛の結晶」が、美しい合唱、小さなストリングス、B級映画のサウンドトラック向けの素材
  10. 「そして一介の YouTuber が扱いきれる量を超えたエレピとオルガン」の空想世界を開く。「これらを最大8音色の setup に組んでレイヤーとスプリットにできるが、設定するのは決して楽しくない」。「作法はかなり煩雑だ。ただし知的な難題ではない」。
  11. 「Neil Schneider による優れた技術分析がある。実際に16bit のサンプルも入っているが、ROM の一つは 8bit の音に充てられている。自分はそれで構わない」。「ラック版は Kabay のプログラマーと並べると見栄えがするし、K4 ですら値上がりしているようだ」。「80年代のヒーローには皆オタクの相棒が要る。K4 の変なデジタルの味は、より普通のシンセへの価値ある補完なのか、それとも時代遅れの lo-fi 鍵盤にすぎないのか」。
  12. 今回のイントロ曲で、K4 が D-50 のコスプレをするのを聴いてもらっている。「朝の80年代プリセットの匂いが好きだ。チーズの匂いがする」。まずはベースを一から組み、古典的なパッチを足す。
  13. 良いディスコのタムだ。ドラム部門にやや迫力が欠ける点を除けば、嬉しい驚きだった」。「作法に慣れるのに時間はかかるが、ざらついたサンプルが好みだし、フィルターは——『特別』と呼んでおこう」。次はもう少しオタクっぽくないベースと、酸味の強いシンセを足す。
  14. 「興味深い。モジュレーション・ホイールをカットオフに送れば甘い地点をいくつか切り出せるが、フィルターとエンベロープの挙動は奇妙なままで、木質からゴム質まで独特の味わいがある。万人向けではないのは確かだ」。
  15. 「K4 を買うときは、鍵盤版の変なエフェクト部か、ラック版の複数出力かを選ぶことになる」。次はそれを回避して、「国際80年代 bad gear 宇宙計画の公式テクノ賛歌」を作る。
  16. 結論。「K4 の愛好家が今日までこの古風な楽器を崇拝しているのには理由がある。強力な音源部、面白い波形の品揃え、そしてついに使える音を追い込めた時のエンドルフィン」。
  17. 「D-50 のような荘厳な艶は無い。だが自分は個人的に Kawai の喘息的な lo-fi の音色の方が好みだし、何より重要なのは、そのサンプル群が Roland の1987年の旗艦鍵盤のように主流の音楽で叩き尽くされていないことだ」。締め。「80年代は K4 の変な音とレトロな UI ほどオタクだったのか? たぶん違う。だがそれでも、あらゆる偽のシンセウェイヴのコンテンツより、あの時代の真正な象徴ではある」。