この回の結論
TR-505 も好きだし 909 のドラム音も大好きなので、その両方が一台に入っているのは最高だ。おまけに 505 のコンバーターが新しいサンプルに良い味を足してくれる。とはいえ 505 の制約は残っていて、サンプルのピッチは変えられないし個別アウトも欲しい。ただしそれらは別の mod で潰せる。
何を喋っているか
- 「Better Gear へようこそ。悪い機材をより良くする番組だ」。今日は蛇蝎のごとく嫌われた TR-505 を、絶賛されまくりの TR-909 に変える。もちろん誇張だ — 909 はほぼアナログ、505 は完全なサンプルベースで、そもそも設計思想が別物。今日いじるのはそのサンプルの方。
- Better Gear は「世界で最も嫌われたオーディオ機器」を扱う Bad Gear のスピンオフ。ほぼ伝説となった TR-505 回のあと、デジタル機材の mod とハックを専門にする視聴者と長話をした。「彼は一輪車に乗りながらチェーンソーをジャグリングすることも専門にしている」
- その彼から、909 サンプルを焼き込んだカスタム EPROM を送るというオファーが来た。505 に新しい EPROM を収めるための PCB も一緒に。全部タダでくれたことに感謝。そして半田付けを全部やってくれた親友にも感謝 — 「豆知識だが、俺は半田付けが本当に下手くそだ」
- 使ったのは送られてきた EPROM と PCB、半田ごて、あとはドライバーやペンチといったいつもの面々。オリジナル EPROM を外した空席を埋めるソケットと、PCB をそのソケットに繋ぐピンヘッダ。EPROM の容量が足りればサンプルセットを複数積んでバンク切り替えを実装することも可能 — それはたぶん別の回で。
- 一番の難所はオリジナルの 505 の EPROM を引き剥がす工程で、ドラムマシンを壊さずに抜くのにかなり時間がかかった。ソケットの取り付けは比較的楽。次に PCB にピンヘッダと EPROM を実装する。最後に PCB を 505 の EPROM ソケットに挿し、「そして俺には、ドラムマシンのプラ筐体を残虐に切り刻む栄誉が与えられた」 — 全部を収めるためのスペース作りだ。
- 1986 年の Roland の誰も夢にすら見なかった代物が完成。動くか確かめよう。「この美人をもう一度組み立てるぞ」と筐体を戻し、505 で鳴らすビートを聴くのが楽しみだと言う。
- 改造機のデモ演奏。名前は「TR-545 リズム・インポスター」— Rhythm Composer ならぬ Rhythm Imposter (偽物)。
- 「今のは気に入った」。545 の 12bit エンジンが、よく知られた 909 サンプルに良いクランチ感を足している。続いてエフェクターを噛ませたジャムで聴かせる。
- Verdict。TR-505 が好きで、909 のドラム音も大好き。その両方が一つの箱に入っているのはクールだ。しかも 505 のコンバーターが新しいサンプルに良い味を加えている。ただし 505 由来の制約はそのまま残る。
- サンプルのピッチは変えられないし、個別アウトも欲しい。とはいえどちらも別の mod で対処できる。EPROM と PCB をくれた本人と、半田付けをやってくれた友人に改めて感謝。「他にどんな機材と mod が見たいかコメントで教えてくれ」