この回の結論
RetroKits RK-002 は素晴らしい機材で、しかも徹底して控えめな佇まいをしている。使い勝手は極めて良く、価格も十分すぎるほど良心的 — YouTuber じゃなくても買える。自分のセットアップにきれいに馴染ませるには多少時間がかかるかもしれないが、その手間に見合う価値はある。ユークリッドシーケンサーは尽きないインスピレーション源だが、最終的にこのスマート MIDI ケーブルを買わせたのは、あの素直な Kaossilator Pro 用 DUY のほうだった。
何を喋っているか
- 「機材を良くする番組、Better Gear へようこそ」。最新のゴシップは金曜にやるので、今日は Elektron Digitakt にポリフォニーとユークリッドシーケンスを生やす話と、KORG Kaossilator Pro を鍵盤で弾く話。使うのは RetroKits RK-002 スマート MIDI ケーブル。
- 免責事項。RK-002 は自腹で買ったし RetroKits とは無関係。ただしパッケージに金を払っていない RK-006 が入っていた、そして使わないという選択肢はない。RK-002 は MIDI メッセージを翻訳するマイクロプロセッサ内蔵の MIDI ケーブルで、電源は MIDI から取り、Google Chrome か MIDI の送受信ができる他のブラウザからプログラムできる。ようやく買った最大の理由は、手持ちの3台 — Digitakt、Kaossilator Pro、Volca Sample — と話せるから。
- 見た目は普通の MIDI ケーブルで、片側のプラグだけオランダらしいオレンジ。ファームウェアの書き込みにはまともな MIDI インターフェイスが要るが、長年使っている古いやつで問題なく動いた。手順は超便利 — Chrome を開く (他のブラウザなら MIDI プラグインを入れる) → duy.retrokits.com へ行く → ケーブルの両端をインターフェイスに繋ぐ、オレンジ側を IN へ。
- 今回の焦点は Digitakt と Kaossilator Pro。Volca Sample でも動くが、機能の大半は別のファームウェアでどのみち賄えてしまう。他にも Roland Boutique、Volca Bass、DX7、Oberheim Matrix-1000 などが対応していて、どんな楽器にも使える汎用 DUY もある。「使ったことがある人はコメントで教えてくれ」。ファームウェアは Arduino IDE で自作もできる。
- RK-002 は好きなファームウェアを載せた状態で届くが、いつでも書き換えられる。MIDI ポートを選び、「よく練られた機能の数々に感嘆し」、アップロードを押せば完了。Digitakt 側のセットアップは RetroKits が丁寧な解説動画を出している。ここではチェックすべき項目を手短にまとめる。
- Digitakt でポリフォニーとユークリッドシーケンスを使うには、MIDI コントローラーなど外部から RK-002 経由でノートと CC を送るか、Digitakt の MIDI トラックを使ったループバックモードにするかの二択。ループバックは MIDI IN を占有するので、鍵盤から Digitakt を弾きたければ USB MIDI ホストが別途必要になる。鍵盤から距離を置ける機会は自分にとって常に歓迎なので、ループバックモードを選んだ。
- 初期状態では MIDI トラック A がトラック1〜4をシンセボイスとして扱い、ポリフォニックに弾ける。MIDI トラック B のデフォルトのコントローラーがユークリッドシーケンサーに割り当てられていて、トラック5〜8をトリガーする。有効化は Function を押しながら該当エンコーダーを押す。ユークリッドシーケンスは同名アルゴリズムに基づく面白い代物で、計算機科学や素粒子物理の論文で読んだことがあるかもしれないやつが、世界中で知られ愛されているリズムを生成する。
- 原理を理解する必要はない。押さえるべきは2点だけ — 音のイベントは可能な限り均等に配置されること、そして MIDI コントローラーの値を上げるほどパターンが密になること。そのままデモ演奏へ。
- Digitakt のポリフォニー+ユークリッドシーケンスによる演奏デモ。
- KORG Kaossilator Pro は楽しい楽器だが、内蔵シンセエンジンは MIDI ノートに反応しない。RK-002 はノートを、シンセが理解できる MIDI CC に翻訳してくれる。DUY を読み込み、Kaossilator の標準 CC マッピングを使い、ノートレンジを4オクターブ、スケールをクロマチックに設定。モジュレーションホイールがもう一方のパラメーターを担当する。
- Verdict。RK-002 は素晴らしい機材で、しかも完全に控えめな佇まい。使い勝手は極めて良く、価格も十分すぎるほど良心的 — YouTuber じゃなくても買える。セットアップにきれいに馴染ませるには少し時間がかかるかもしれないが、その手間に見合う価値はある。ユークリッドシーケンサーは尽きないインスピレーション源。
- だが結局このスマート MIDI ケーブルを買わせた決め手は、あの素直な Kaossilator Pro 用 DUY だった。「みんなが RK-002 をどう使っているか知りたい、コメントを待っている」。視聴の礼を述べて次回へ。