この回の結論
Proteus/1 は本当にゲームチェンジャーだった。その音は90年代メディアの至る所にあり、サンプルも構造も原始的なのに、腕のある奏者とエンジニアは基本的な弾き方とスタジオの小技だけで説得力のある音に仕立てていた。ただしマルチティンバーやマシなメニューダイビングといった売りは今や意味を失っており、実際の音楽制作なら現代のソフトサンプラー、ノスタルジー用途ならもっと上位のオリジナル Proteus を勧める。それにしても、Uli Behringer が Proteus 全機種のサンプル権利をまだ買っていないのが不思議だ — 149ドルで出せるだろうに。もちろん買いはしない。Uli は権利など買わない。
何を喋っているか
- 世界で最も嫌われたオーディオ機材を扱う番組、Bad Gear へようこそ。「シンセオタクが酔っ払って機材を弾くために、雪の中を10マイル、行きも帰りも上り坂で歩いていた時代」には、Game Changer という言葉は今とまったく違う意味を持っていた。
- 今回は1989年、E-mu 初の Proteus。Emulator サンプラー一族の頭を悪くした子孫で、あのアイコニックな音を手の届く値段にしただけでなく、プリセットそのものが世界のポップカルチャーの意識に焼き付いた。一見この古代のラック機は全部を持って… 「どうも、トロイ・マクルーアです。『Barney and the Backyard Gang』『Ali G』『Crash Bandicoot』『Body Bags』などの公共広告でご存知かもしれません」
- X-Files の口笛、GoldenEye のあのパーカッション、テレタビーズのサントラ全部といった定番を再現したいなら、後継機に頼るしかない。シンセ界の缶詰食品である本機の栄養成分: 常温保存可能なストリングス、タンパク質豊富な変てこサンプル、
- オーガニックなビタミン B3 (オルガン) サプリ、ホメオパシー希釈された Roland D-50 のしずく、冷凍ベース、TVディナーのドラム、たっぷり盛られた Rompler チーズ。
- 食物ピラミッドの土台、そして低カロリーピアノ。シンセウェーブ・サバイバリスト向けのこのテイクアウト飯を届けるエンジンは、これ以上ないくらい単純。1パッチはプライマリとセカンダリの2つの音色で構成され、ブレンドでき、ピッチは独立して変えられる。
- リバース可、サンプルスタート位置も変更可。そこそこ複雑なアンプエンベロープ、LFO 2基、そしてほぼ自由にルーティングできるもう一つのエンベロープ。それだけ。本物のシンセシスは無し、フィルタも無し、エフェクトも MIDI でオンオフするコーラスだけ。
- しかもそのコーラスは32音のポリフォニーを大きく食う。今の基準では物足りなく見えるが、この楽器は予算のない現場のミュージシャンと作曲家に最適化されていた。16チャンネルのフルマルチティンバー、練られたレイヤーとスプリット機能。
- そして実際の鍵盤奏者のために作られたモジュレーションセクション。演奏のダイナミクス、モノとポリのアフタータッチで音を動かせる。当時のプロの特殊な事情といえば、充実した MIDI 実装と6系統のアウトはアナログ環境への統合にうってつけで、外部のアウトボードを本体に直接インサートすることまでできる。いいね。
- 構造が単純なぶんメニューダイビングも比較的まともで、マニュアルも実際に役に立つ。Proteus は3世代ある。第1世代は全部これとよく似ていてサンプルの内容や量が違うだけ、第2世代はかなり良いフィルタ付き、第3世代は完全に別物。
- 内蔵4メガのサンプルメモリはアップグレードできるらしい (字幕不明瞭)。詳しい人はコメントで教えてくれ。中古市場では簡単に見つかり価格もまだ穏当、Proteus サウンドの全歴史は合法的にソフト版で手に入る。音作りの自由度は限られていたが Proteus/1 は90年代以降の音楽のゲームチェンジャーだった。今も現役なのか、それとも懐古ブーマーの19インチラックに詰まったデッドウェイトなのか。
- 今日のイントロ曲ですでに Proteus は鳴っている。坊やたち、90年代は本当にこういう音だったんだ。まずはレトロなコンソール機のスパイゲーム音楽から。
- これを聴くと Dunkaroos が食べたくなって Surge が飲みたくなる。E-mu 通でなくてもこれらのパッチはほとんど聞き覚えがあるはずで、ストリングスは驚くほど old にならずに済んでいる。Proteus/1 は90年代初頭の電子音楽プロデューサーに、
- そこそこ信じられるアコースティック系の音を届けた。ここでドラムブレイクを足して、ノスタルジーをさらに押し上げる。
- 派手めの音は D-50 には及ばないが、定番の E-mu パッドはノスタルジーを211にする。大量のリバーブとディレイを浴びせたときは特に。次は、アクションフィギュアやグッズを売るためだけに作られたTV番組のレトロウェーブ風サントラで、Proteus がどこまでやれるか試す。
- そのサントラ風トラックの音出し。
- Verdict。Proteus/1 は確かにゲームチェンジャーだった。その音は90年代メディアの至る所にある。サンプルも楽器の構造も原始的だが、熟練の奏者とエンジニアは基本的な弾き方とスタジオの小技だけで説得力のある音を絞り出せた。とはいえマルチティンバーや「ややマシなメニューダイビング」といった売りは、
- 今や意味の大半を失っている。実際の音楽制作なら現代のソフトサンプラーを、ノスタルジー用途ならもっと上位のオリジナル Proteus を勧める。ところで、Uli Behringer が Proteus 全機種のサンプル権利をまだ買って149ドルの製品を出していないのが驚きだ。もちろん買いはしない。Uli は権利など買わない。
- 締め。いいねと登録、Patreon、概要欄のリンクでチャンネル支援を。君の bad gear が何を命じてこようとも、じゃあまた。